離婚調停の手続きの流れ|マリッシュ再開準備室
- 2026.06.24
- 再出発準備
離婚調停は、家庭裁判所の調停委員を介して、離婚の条件を話し合う手続きです。
「これからどう進むの?」「どのくらい時間とお金がかかるの?」——この記事では、申立てから成立までの流れと、期間・費用の目安を、順を追って整理します。

📑 もくじ
離婚調停とは(基本のしくみ)
離婚調停の正式名称は「夫婦関係調整調停(離婚)」。当事者だけでは話し合いがまとまらない、あるいは話し合い自体ができないときに、家庭裁判所を利用する手続きです。
調停では、裁判官1名と調停委員(男女各1名)が間に入り、夫婦の双方から交互に話を聞きながら、合意を目指します。夫婦が顔を合わせず、別々に話せるのが特徴です。話し合う内容は、離婚そのものだけでなく、親権・養育費・面会交流・財産分与・年金分割・慰謝料など多岐にわたります。
手続きの流れ(5ステップ)
STEP 1:申立て
相手方の住所地を管轄する家庭裁判所(または夫婦で合意した家庭裁判所)に、申立書と必要書類を提出します。主な書類は、夫婦関係調整調停申立書/夫婦の戸籍謄本/収入のわかる資料(源泉徴収票など)。書式は裁判所のホームページでダウンロードできます。
STEP 2:期日の通知
申立てが受理されると、家庭裁判所から第1回の調停期日(日時)が通知されます。申立てから1回目までは、通常1〜2か月ほど。相手方にも、裁判所から呼出状が届きます。
STEP 3:調停期日(話し合い)
指定された日に家庭裁判所へ出向きます。調停委員が双方から交互に事情や希望を聞き、意見を調整していきます。1回の期日はおおむね2〜3時間。1回で終わることは少なく、月1回ほどのペースで、複数回くり返されるのが一般的です。
💡 ちょっと安心する豆知識
「家庭裁判所」と聞くと、テレビや映画のように——高い壇上に裁判官がずらりと並び、木槌を「コンコン」……そんな緊張する法廷をイメージしがち。でも、実際の調停は、まったく違います。行われるのは、普通の「会議室」や「面談室」のような部屋。テーブルを挟んで、調停委員さんと向かい合って座り、お茶でも飲みながら話すような、わりと和やかな雰囲気です。堅い裁判のシーンを想像して身構えていると、「あれ、こんな感じなんだ」と拍子抜けするかもしれません。
STEP 4:成立(または不成立)
双方が合意に達すると「調停成立」。裁判所が合意内容をまとめた「調停調書」を作成します。これは確定判決と同じ効力を持ち、養育費などの不払いがあれば強制執行も可能です。合意に至らない場合は「不成立」となります。
STEP 5:離婚届の提出
調停成立後は、原則10日以内に、申立人が市区町村の役所へ調停調書の謄本と離婚届を提出します。これで、離婚が正式に成立します。
どのくらいかかる? ― 期間の目安
調停は1回では終わらず、月1回ペースで複数回行われます。終わるまでの期間は、ケースによって幅がありますが、おおよその目安は次のとおりです。
| 全体の期間 | おおむね 半年〜1年程度(3か月ほどで終わることも、1年以上かかることもある) |
|---|---|
| 期日のペース | 約 1か月に1回 |
| 1回の所要時間 | 約 2〜3時間 |
| 回数 | 回数に制限はない(数回〜十数回など、合意の難しさによる) |
親権や財産分与などで対立が激しいほど、回数も期間も増える傾向があります。逆に、争点が少なく双方が歩み寄れば、早く終わることもあります。
いくらかかる? ― 費用の目安
調停の申立て自体は、とても低額です。弁護士をつけるかどうかで、総額は大きく変わります。
自分で申し立てる場合(実費のみ)
- 収入印紙:1,200円(申立書に貼付)
- 連絡用の郵便切手:数千円程度(金額・内訳は裁判所ごとに異なる)
- 戸籍謄本の取得:450円程度
- そのほか、裁判所への交通費など
合計で、おおよそ3,000円前後。弁護士をつけずに自分で進める場合は、総額でも1万円程度に収まることがほとんどです。費用は原則、申立てた側が負担します。
弁護士に依頼する場合
弁護士に依頼すると、上記の実費に加えて弁護士費用がかかります。着手金・成功報酬などを合わせた相場は、おおよそ40万〜70万円程度(事務所や事案により異なる)。費用負担は大きくなりますが、書類作成や交渉を任せられる安心感があります。
弁護士に頼むと、自分は出向かなくていい?
「弁護士に頼めば、自分は一切出向かず、相手とも顔を合わせずに済む?」——よくある疑問ですが、答えは「半分そうで、半分は違う」です。
調停は「本人出頭主義」が原則。弁護士に依頼しても、基本的には本人も一緒に出席する必要があります。調停委員に事情を説明するには、本人の言葉のほうが伝わりやすい場面が多いためです。「全部おまかせで、自分はノータッチ」とはいきません。
ただし、こんな例外も
- 財産分与・婚姻費用などお金が中心の争点では、弁護士のみの出席が比較的ゆるやかに認められることがあります。
- 病気などやむを得ない事情があれば、診断書や委任状などを用意することで、本人不在で進められる場合もあります(最終的に離婚を成立させる場面では、本人の意思確認のため、原則として出席が求められます)。
とはいえ、弁護士に依頼するメリットは大きいです。
- 相手と顔を合わせずに済む:調停はもともと待合室も話す時間も別ですが、弁護士が間に入ることで、相手とのやりとりの精神的負担がさらに軽くなります。
- 主張や書類を整理してもらえる:言いたいことを的確にまとめ、有利に進めるサポートが受けられます。
- 裁判所からの連絡を弁護士が受けてくれる:呼出状などの窓口を任せられ、手続きの負担が減ります。
- 感情的になりやすい場面で、冷静な味方がいる:一人で抱えるより、心強さが違います。
弁護士以外の人に、代理を頼める?
「家族や友人に、委任状を渡して代わりに出てもらう」——これは、原則できません。調停で当事者の代理人になれるのは、基本的に弁護士だけです(裁判所の許可がある特別な場合を除く)。身近な人に付き添ってもらいたい気持ちはあっても、代わりに話してもらうことはできない、と覚えておきましょう。なお、調停室に入れるのも原則として当事者本人のみです。
不成立になったら、どうなる?
話し合っても合意できなかった場合、調停は「不成立」で終了します。その後、離婚を求めるには、あらためて「離婚訴訟(裁判)」を起こすことになります。
なお、婚姻費用など一部の手続きは、調停が不成立になると自動的に「審判」に移り、裁判官が結論を出します。離婚そのものについては、審判ではなく訴訟へ進むのが一般的です。
知っておきたいポイント
- 相手とは顔を合わせない設計:待合室も話す時間も別に分けられ、基本的に相手と直接顔を合わせずに済むよう配慮されています。
- 服装は普段着でOK:スーツでなくても構いません。清潔感のある、落ち着いた服装であれば十分です。
- 平日の日中に開かれる:調停はおおむね平日10〜17時。仕事を持つ人は、休みの調整が必要になります。
- 近年の制度変更:2025年からウェブ会議による調停成立が可能になったほか、2026年4月からは離婚後の「共同親権」も選択できるようになりました。調停では、どちらの親権にするかを話し合うことになります。
手続きそのものは、決して複雑すぎるものではありません。ただ、心身ともに負担のかかる時期でもあります。ひとりで抱え込まず、必要に応じて専門家や相談窓口を頼ってください。
どんな道を選ぶとしても、選ぶのは、あなた自身の意思です。
次の一歩を考えるためのページを、用意しています。気になるほうから、のぞいてみてください。
▶ 離婚を検討されている方へ
別居・調停・お金のことまで。後悔の少ない選択を考えるための情報をまとめています。
▶ 離婚しないという選択
立ち止まって考えてみる時間も大切。思いとどまった人たちの体験談や考え方を集めました。
手続きは、ひとつずつ進めれば大丈夫
わからないことは、裁判所や専門の窓口に聞きながらで構いません。
焦らず、あなたのペースで進めていきましょう。
※本記事の費用・期間・制度は執筆時点の一般的な目安です。郵便切手代など裁判所ごとに異なる項目や、法改正による変更があり得ます。正確な情報は、管轄の家庭裁判所や弁護士・専門窓口にご確認ください。