子どもの悩み(年齢・親権など)と向き合う|マリッシュ再開準備室
- 2026.06.24
- 再出発準備
離婚を考えるとき、多くの方にとっていちばん大きな存在が「子ども」ではないでしょうか。
この記事では、子どもの年齢ごとの考え方や、親権をめぐる現実について整理しつつ、筆者自身の体験も交えてお話しします。正解のない話だからこそ、ひとつの視点として読んでいただけたら幸いです。

📑 もくじ
子どもの年齢で、考え方は変わる
ひとくちに「子どもがいる離婚」といっても、子どもが何歳かによって、配慮すべきことはまったく変わってきます。ここでは、大きく3つの年齢層に分けて考えてみます。
① 18歳以上・独立後 ―「前向きな離婚」も
実際に多いのが、子どもが18歳以上になり、高校を卒業して一人暮らしを始めたり、自分で物事を決められる年齢になるまで待つという方々です。子育てという大きな務めを終え、そこから第二の人生を歩もうと決断される方は、決して少なくありません。
なかには、夫婦関係に特別な不満があるわけではないけれど、お互いにこれから先は別々の人生を歩もう、と前向きに離婚を選ぶカップルもいます。(筆者の知り合いにも、実際に数組いらっしゃいました。)長年連れ添ったうえでの、納得ずくの円満な“卒業”というかたちです。
そういう意味で、子どもが18歳以上であれば、ある程度は前向きなかたちでの離婚も可能だと言えるでしょう。
② 未就学(小学校前)― 経済か、子の記憶か
一方で、子どもが小学校に上がる前の場合は、経済的な理由から離婚を避けるケースが多く見られます。幼い子を抱えての生活設計は、どうしても不安が大きいものです。
ただ、子ども側の事情に目を向けると、別の考え方もあります。どうせ別れるのであれば、まだ「父親」「母親」という認識が薄いうちに、という選択です。もし再婚を視野に入れるなら、そこから新しい家族に馴染むまでの数年の猶予も生まれます。一般的に、4歳くらいまでであれば、子どもの心情としては比較的、荒れにくいと考えられています。
③ 思春期前後(12〜15歳)― 最も慎重に
できれば慎重になりたいのが、思春期前後の年齢です。性別差や個人差は大きいものの、おおよそ12歳〜15歳は、心も体も大きく揺れる多感な時期。子どもながらに、さまざまなことを考え、悩む年頃です。これは、大人になるために体が多くのホルモンを分泌している時期だから、とも言われています。
その不安定な時期に離婚や再婚が重なると、不安定さがさらに増してしまうリスクはあります。もちろん、お子さんの理解度や、再婚相手の人柄によって、その影響が和らぐこともありますから、「必ず避けるべき」と言い切るものではありません。ただ、知っておいていただきたい時期ではあります。
筆者の体験から ― 12歳で親が再婚して
ここで少し、筆者自身の話をさせてください。
私はシングルマザーの家庭で育ち、ちょうど12歳の頃に親が再婚しました。同じ立場を経験した者として、敢えてお伝えしておきたいことがあります。
親の再婚をきっかけに感じたのは、連れ子同士の関係性の複雑さ。そして、相手の実家に行ったときに感じる言いようのない疎外感。叱られたときにふと湧き上がる、「この人は、結局は他人なんだ」という感覚。——どれも、当時の私にはうまく言葉にできない、けれど確かに胸の奥にあった感情でした。
……でも、それで終わりではありません。
大人になった今、あらためてどう感じているかと言えば——「親が高齢になっても、夫婦でいてくれることの安心感」があります。そして「新しい二人の間に生まれたきょうだいが、親の面倒をみてくれている安定感」もあります。結果的には、良かったと思える部分も、確かにあるのです。
つまり——そのとき、その瞬間にどう感じるかは、子どもそれぞれ。そして、年を重ねるごとに、価値観も考え方も変わっていきます。あのとき辛かったことが、今は感謝に変わっている。そういうことも、人生にはあるのだと思います。
転校・引っ越しは、慎重に
子どもとよく相談することは、もちろん大切です。とくに、転校や引っ越しが発生する場合は、子どもとしっかり話し合ったうえで、最終的には大人が責任をもって決断する必要があります。
ただ、注意したいのは、転校に慣れていない子や、友達づくりが得意でない子です。新しい環境でうまく馴染めず、つらい思いをするケースもあります。
子どもにとって、学校は社会生活のほぼすべてと言っても過言ではありません。だからこそ、引っ越しや転校のタイミングは、しっかりと見定めてあげることも、大人の役目だと思います。
親権の問題 ― 数字が語る現実
親権というと、よく「母親が有利、父親は不利」と言われます。実際のところ、どうなのでしょうか。数字を見てみましょう。
| 区分 | 世帯数の目安 |
|---|---|
| 母子世帯 | 約119.5万世帯(ひとり親世帯の約8割) |
| 父子世帯 | 約14.9万世帯(ひとり親世帯の約1〜2割) |
出典:こども家庭庁「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」(数値は推計値)。
このように、日本のひとり親世帯は母子世帯が約8割を占めています。これまでは、経済的な余裕や生活の余裕などを総合的に見て、母親が親権をもつケースが多かった、というのが実情でしょう。
ただし、状況は変わりつつあります。父親が積極的に子育てや家庭に関わるケースが増えているため、近年は親権をめぐって争いになることも、以前より増えています。
親権を考えるうえで、知っておきたい不安要素
- 自分の子が、相手側につくかもしれないという現実。
- 自分の側に親権を得られても、養育費が確実に支払われるとは限らないという不安。
養育費については、実際に受け取れている家庭はそう多くありません。各種調査でも、離婚相手から継続的に養育費を受け取れている世帯は一部にとどまる、というデータが繰り返し示されています。だからこそ、「親権を取る=生活が安定する」ではないことを前提に、自分の生活基盤をどう築くかまで含めて、決断する必要があります。
選ぶのは大人、でも影響を受けるのは子ども
離婚は、親にとって人生が大きく変わる瞬間です。けれど忘れてはいけないのは、子どもにとっては「自分で選べない」がゆえに、ときに親以上に重い結果が待っているということ。
だからこそ、よく相談すること。年齢や性格、タイミングをよく見極めること。そのうえで、本当にその選択が必要なのかを、落ち着いて考えることが大切だと思います。とはいえ、筆者自身がそうであったように、そのときの痛みが、時間とともに別の意味に変わっていくこともあります。重く受け止めすぎて、誰も前に進めなくなる必要も、ありません。
どんな道を選ぶとしても、選ぶのは、あなた自身の意思です。
次の一歩を考えるためのページを、用意しています。気になるほうから、のぞいてみてください。
▶ 離婚を検討されている方へ
別居・調停・お金のことまで。後悔の少ない選択を考えるための情報をまとめています。
▶ 離婚しないという選択
立ち止まって考えてみる時間も大切。思いとどまった人たちの体験談や考え方を集めました。
子どもの気持ちも、あなたの気持ちも
どちらも大切にしながら、焦らず考えていきましょう。
正解はひとつではありません。あなたとお子さんにとっての答えを、ゆっくり探してください。
※本記事には筆者個人の体験・見解が含まれます。子どもへの影響には個人差が大きく、すべての家庭に当てはまるものではありません。親権・養育費など具体的な手続きは、弁護士や自治体の相談窓口など専門の窓口にご相談ください。